10Sep

起業物語、後ずさり
ビルの2階にあがり 受付場所を確かめた。 この会社はどうやら 自社ビルを所有して いるらしい。 午前中と同じように 飛び込んでみた。 「お忙しいところ失礼します!」 目に飛び込んできた光景は 午前中にはあじわえなかった 光景であった。 たくさんの目が一斉に こちらの方を見ているのである。 私はスーッと血の氣が引き、 少し後ずさりしてしまった。 まるでシッポを振った 負け犬の様である。 何秒経過したのだろうか? みょうな間が空いてしまった。 その時、受付らしき女性が 「今日はどのようなご用件ですか?」 と坦々と聞いてきた。 私は「かくかくしかじか、 このような商品を販売 しているのですが、 今回はご挨拶にまいりました!」 と言ってそそくさと 会社を後にした。 午前中はせいぜい5、6人規模の 会社が多かった。 今回はフロアに20人以上は いたのだろうか? 一斉に40個以上の瞳に 見つめられてしまったのである。 ボクサーの時は約3000人の 前で試合をしたのだが、 それとは別の時間(とき) が流れていた。 予想外の展開にどっと 疲れが出てきたが、 考え込んでみた。 そうか!受付の人から 担当者に連絡をつけて 貰えばいいのか! 電話では出来ていたことで あったが、動揺した私は すっかり忘れていた。 前を読む 次を読む
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